"血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。"

計算屋と計算機屋

素粒子論系の知人は、「実験・回路・コンピュータはイヤだ」と声を揃えます。概して理学部の人間はコンピュータが苦手であることが多い。回路やプログラミングの話をしたところで誰も突っ込んでこない。でも、自分の理論や主張を押し通すための武器として実験やシミュレーションは強力なツールであって、使いこなせて損はない。積分や方程式なんて普通は解けないんだから、コンピュータを使わないといつまで頭ひねっても答えが出ないってこともあります。紙と鉛筆さえあれば一生暮らせるというその気持ちは分かるのですが、手計算だけで理論をやろうという人の見聞の狭さは、5次方程式の中でx^5=1のような代数的に解ける方程式を何個か見つけて喜んでいる人に似ていると思うわけです。なんだかなぁ。