"血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。"

Readership

「本ばかり読んで」「テレビばかり見て」「ゲームばかりして」と渋い顔をする人を上の世代にはよく見かけるが、「ブログばかり読んで」という説教を賜る話はそれほど多くない。コンテンツのクオリティやユーザのリテラシーではmixiを上回るといっても、既に1000万人メディアであるブログに対し反感や偏見を抱く人がいないはずはなく、単にそういう偉そうな説教を垂れる層とブロゴスフィアはもはや交わらずに次の時代がくるということか。

本ばかり読むとアホになる、とはよく聞くが、やはり読書は大事だと思う。自分の頭で考えるのも大事だが、考えたアイデアの99%はコピーで、残った1%のうちさらに99%は誰かが特許取得済みであると考えると本を読まないことは何のお得感もない。先行研究を蔑ろにする理由はない。ハイゼンベルクが行列を知らずに行列力学を構築したとかしなかったとかという逸話はさておき、基礎の共通語彙、モジュール化されたルーチンといったものは思考やコミュニケーションの無駄を省くために必要不可欠だ。同じことがブログについても言えて、ブログを書く前に読みまくる人はエントリを再発明してしまう恐怖と戦っているってことも結構あるのだ。こういう心理は、無知は罪ではないが恥であるという脅迫観念によるのかもしれない。