"血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。"

猫でも分かる<a class="okeyword" href="g:generation1986:keyword:ハチロク世代">ハチロク世代</a>

思想的な世界征服ってどうやったらできるのかなと昔考えたことがある。自分の意見を人に伝える方法というのはプレゼン講座などの形である程度ノウハウが確立している面はある。では、自分たちの意見を確実に、しかも誰にでもできるレベルで広めるにはどうしたらよいだろうか。子供の頃の自分には割と地道に一人ずつ説得して布教を行っていくという解決策しかなかった。しかしそんな口コミレベルでキャズムを超えるのを待っていては日が暮れてしまう。

そこで出せた最も現実的な答えというのは「秘密結社を作って思想教育を施し、各界に送り込む」だった。実はこれを最も成功させているシステムが一つある。それはこの国の義務教育だ。このシステムの優れている点は、生まれた人間を一人ずつ確実にシステムに登録し、標準的な思想と教育を施して各界の隅々まで送り届けることができる点にある。新しいシステムが義務教育にとってかわるには、このシステムが使っているベルトコンベアを利用して人間を各界に送り込むのが一番よい。さすがにこれだけ巨大なシステムだと内部でいくらでも歪みが発生しかねないのだけれど、それでもまだその圧倒的な規模と影響力の前に一個人として立ち上がろうとしたとき、人は絶望すら抱かざるを得ない。

近年、人類はこの巨大さに立ち向かえる希望を秘めたシステムを発明した。それが、僕らがどっぷり浸かっているもう一つの教育システム、インターネットである。そしてそのインターネットというインフラにのっかかって結成されたグループの一つが、いわゆるハチロク世代であったりする。

分野を横の軸に、年や上下関係を縦の軸にとって思想の伝わり方を見てみよう。何か同じ思想をもった人々が縦にばかりつながっているとどうなるか。
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5年10年たっても、そのネットワークはそこから外に出ることはない。これは外圧に弱い。そのネットワークを潰そうと思ったら、どこか1カ所を叩けばよい。
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ハチロクが目指すのは「横のつながりを作って切磋琢磨」することである。こうして作られたネットワークはこんな感じになっている。
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彼らの思想は、5年10年後には全分野の全世代に行き渡っている。
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もう真っ赤だ。どこかを叩けば、あちこちから反響が出る。

ハチロク(笑)?

ハチロクとか同じ世代で固まってわいわいやっているただのオフ会だろ、と甘くみられているとしたら、少し残念だ。
確かにハチロクは名前からするとすごく門戸の狭いグループに見えるかもしれない。
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だけど、僕はこんなのも全然ありだと思っている。
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思想はほっておいても垂直には伝播する。学部や職場でいつもと同じ話題を共有するほうが楽だからだ。今何歳か、それよりも重要なことは、できるだけ水平に、できるだけ遠く離れた人と思想を共有していくことだ。はてな村の常としてこういうグループはすぐにギークよりの話題で偏ってしまうのだけれど、化学、生物からアート、教育、政治、経済まで色々な分野の人がコミットし、分野を超えて刺激しあい議論できる場になるといいなと思う。関東ではそれが結構盛り上がっているようなのだけど、関西ではまだまだ。

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第3回お食事会軽くレポ。http://generation1986.g.hatena.ne.jp/satzz/20080602/1212387398
少し興味がでてきたら、次回のハチロク世代お食事会で是非お会いしましょう。