"血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。"

エンター力

大学に入っても人付き合いが変わらないという人がいるが、もったいないと思う。自分は大学の近くに住んでいるので大学に入ってからの方が普段の移動距離は短いけれど、行動範囲は広い方がいいと思っている。京大の学部学生だけでも13000人いるそうだ。中高の生徒を全員合わせてもせいぜい数百人程度だろうから、うろうろしてて面白い人に出会う確率は大学の方が10倍以上高いことになる。
はてなはどうだろう。はてダを定期的に更新している人は概算で京都市内だけでも数百人オーダーいるだろう。身近で実際に書いている人は10人程度しかいないけれど、それだけ集まるとものすごい濃い集まりになりそうだ。

以前京都会議(http://minia.kyo2.jp/e51845.html)で、id:minia327がしきりに「エンター力」の重要性を解いておられた。端的でいい言葉だと思った。エンター力とは、ウェブなどでの多少「わけのわからない」「うさんくさい」集まりに参加しようと思ったときに「エンターキーを押す力」、文字通りそういう世界に自力で「エンター」していく力のことだ。これは簡単なようで実は結構エネルギーがいる。自分だってまだ片足を「うさんくささ」につっこみつつ、同時に片足で安定保守の淀みを踏んづけて日和っている一人だったりする。

皇族やVIPに会うわけでなければ、人に会うというのは実にあっさりしたことだ。エンター力が必要とするのは何か特別な技能ではない。ほんの少しの勇気だけだ。それは、周りからの目に見えない理不尽な圧力や心のブレーキをいつ外せるかの問題にすぎない。相手が何者なのかわからなくて迷うのではなく、リスクを侵してまでアウトプットできる人を絶対的に信頼する。メールアドレスを探して半定型のメールを送りつける。「登録」ボタンをさっさと押してアカウントを作る。こういった感覚はコミュニケーションの壁が低くなる時代、土地や組織に縛られない身軽な生き方をしようとするときに必須になってくる要素の一つだ。

自分にはコードで人とつながる力はまだまだ足りないだしそこを磨くべきけれど、マインドだけはかなり身に付いた。少しでも興味がある人なら、ベンチャーとかそういう「うさんくさい」カオスな世界に巻き込みたいと思っている。しつこいと思うのは勝手だが、めんどくさいという一番理由になっていない理由で自分の世界にこもるのは馬鹿らしい。知らないで後悔するくらいなら、知ってから後悔してほしい(いや同じ後悔なら、的な意味で)。自分の行動範囲に「これくらいだろう」と限界を設定している人を見ると、なんでそんなに後ろ向きかなーと思ってしまう。

そんなもんじゃないだろあんた。周り数百kmは一応言葉が通じるんだぜ。そこは、あんたがつまずくとこじゃない。

自戒もこめて。