"血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。"

ジョブズのスピーチ

 『ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!』でもとりあげられたスティーブ・ジョブズによるかの名スピーチ、スタンフォード大卒業式辞を最近何度か見ている。2005年といえばもう4年前で、dog yearが合い言葉のこの世界ではもはや古典でありご存知の方も多いだろう。


 ジョブズは自分の生い立ちに触れた後、「WindowsはMacのコピー」と笑いを誘いながら、drop outしてから学んだカリグラフィを後にMacに組み込んだエピソードを引く。その後愛と敗北について、それから死に最も近づいたときの経験について語る。

 もちろん、大学にいた当時、そんな先々のことまで考えて点と点をつなげてみるようなことはできませんでした。しかし10年後からふり返ってみると、非常にはっきりと見えるわけです。繰り返しますが、先を読んで点と点をつなぐことはできません。後からふり返って初めてできるわけです。したがってあなた方は、点と点が将来どこかでつながると信じなければなりません。自分の勇気、運命、人生、カルマ、何でもいいから、信じなくてはなりません。点がやがてつながると信じることで、たとえそれが皆の通る道からはずれても、自分の心に従う自信が生まれます。


 (中略)


 死はおそらく、生物にとって最高の発明です。それは生命にとって、古いものを取り除き、新しいもののための道を開いてくれる変革の担い手です。今、「新しいもの」とはあなた方です。しかしそれほど遠からぬうちに、あなた方もしだいに「古いもの」となり、取り除かれる日がきます。ドラマチックな表現で申し訳ありませんが、これが真実です。


 あなた方の時間は限られています。他の誰かの人生を生きて無駄にしてはいけません。ドグマにとらわれてはいけません。それは他の人たちの思考の結果とともに生きることだからです。他人の意見の雑音によって自分の内なる声が掻き消されてしまわないようにしてください。そして最も重要なことですが、あなたの心や直感に従う勇気をもってください。心や直感は、あなたが本当は何になりたいのかすでに知っています。他のことは全て二の次です。

 和訳は次の動画から引用している。


 自分の内なる声に従い、無条件に自分を信じることの大切さを彼はひたすら説く。信じる時点では、いかなる根拠もない。その必然性は後から見えてくる。


 にわかマカーでジョブズのこともまだほとんど知らない僕でも、今聞いてもはっとする部分が多い。