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"血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。"

Be Our Guest

仕事で来日しているアメリカ人がフロリダのDisney Instituteで受けた研修*1の内容を伝えたいというので一緒に東京ディズニーランドに行くことになった。
(彼はオフィスのメンバーへのITサポートを担当しており、仕事として自分と近い)

ディズニーランドに着くなり「いいか、今日はworkだからno funだぞ」といいながらシートを配る。
ディズニーのカスタマーサービスを構成するものに、4つの重要な価値観(Safety / Courtesy / Show / Efficiency)とそれを運ぶ3つのしくみ(Cast / Setting / Process)があることは知られている。
シートにはこれを組み合わせた表(integration matrix)があり、アトラクションを回りながら、どのしくみがどの価値観をどのように実現しているかを埋めることで学んでいくのだ。
アトラクションの行列に並んでいるだけでも注意深く観察すると色々と気づくことがある。
例えば、金属製のガイドポールをそのままにしておく所を、アトラクションによって木目調の塗装をかけて雰囲気を出す。また材質もできるだけ木に近い金属を採用する。
これはSetting x Showという感じである。
分かりやすいというかそんなのは当たり前だと思うことも多いが、印象に残ったことが一つあった。

炎天下、90分待ちのホーンテッドマンションの行列に並んでいたときのことだった。
60分ほど待ったところでアナウンスが流れ、機械の故障で列が進まない状況が30分ほど続いた。
列を抜ける人が増え、自分たちもどうするか考え始めたところ、列に並んでいる人には特別優先券(Fast Passと違い、好きなアトラクションに好きな時間に入ることができる)が配られることになった。
突如ハイテンションを回復したアメリカ人と一緒に、150分待ちの列を尻目にスプラッシュマウンテンにわずかな待ち時間で乗ることができた。
matrix上ならProcess x Courtesy(礼儀正しさ)ということになるだろうか。

ディズニーランドでは珍しい話ではないし、その程度のサービスは当然という人ももちろんいるだろう。
しかし爆発寸前の顧客、ディズニー流で言えばGuestの不満をこれほどスムーズに発散してしまう仕組みを実際に持っているサービスに出会うことは少ない。さすがディズニーだ。
また少し前のこの本を読んだ人なら聞いたことがある話だろうとも思うが、実地で体験できるほうが楽しい...おっと、この体験はno funだったので、...よい勉強になった。

ディズニーが教える お客様を感動させる最高の方法

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ちなみに原題のBe Our Guestは『美女と野獣』の劇中歌からとったシンプルなタイトルだが、邦題はごちゃごちゃして活かされていないのが残念だ。

*1:たぶん これだろう