"血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。"

或る気づき

旧友に出くわした。

学校でオーストラリアとの短期交換留学の企画があった。高2のとき、漠然と興味を持ち事務に問い合わせてみたところ、どうやら作文で数名が選考されるということだった。海外に行くのにいちいち理由を作るのが面倒に思えた僕は、結局応募しなかった。

その年オーストラリアに行ったのが彼だった。


あれから3年経って、なんだかんだあって、僕もカナダに行くことになって、あの頃の彼にやっと追いつけたような気がしていた。

その彼に開口一番こう言われた。


「疲れてるな」


見て分かるほどなのか、と唖然とした。他に言うことはないのか、と思うでもなく。

疲れてるのかな。