"血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。"

のれん

今日の商業簿記2級。
簿記には「のれん」という立派な勘定科目があって、自分にとっては単に「のれん」=「和食店の入り口にかかっている布」でしかなかったので「あの布は会計学上そんなに重要な資産なの?!」とか思ってたわけだが、「のれん」とは「のれんに傷をつける」の「のれん」で「名声」のこと。

自分にわかった範囲でまとめると、株式会社Aが株式会社Bを吸収合併するとき、AはBの資産と負債の差額である純資産を受け継ぐだけでなく、Bの株主にAの株式を交付する。この純資産と交付株式の価額の差がのれん代で、これも特許権や商標権と同じ無形固定資産。

のれん = 交付株式価額 - 受入純資産

具体的なイメージとしては、「被合併会社Bがもともともっていたブランド集客力(超過収益力)に対する代金」。

今まではひたすら仕訳・転記といった機械的作業の話ばかりだった。そもそも収益計算や原価計算などの遅延の原因は処理システムに人間が関わらざるを得ないことだとすれば、経済のユビキタス化(お財布ケータイの進化版みたいなものかな)につれてそういった泥臭いプロセスは次第に意味を減じていってもおかしくないはずだが、会計の本質がまさかそんな浅いところにしかないとも思えず、でもなかなかその「醍醐味」をつかめずにいたのだ。

しかしこののれんの話を聞いて、名声といった経営上どうやって評価すればいいのかよくわからないものまでカネの形で解釈してしまう一つのアプローチに出会い、簿記が初めて面白く感じられた。こういうのは試験においてはあまり重要でない学生らしい的な視点なのかもしれないが、どうせなら大学受験型の表面的なパターン学習よりも楽しい勉強がしたいなぁ。