高齢者犯罪の急増
凶悪犯罪の高年齢化が止まらない、となぜ書かない http://www.h-yamaguchi.net/2007/11/post_250a.html
を読んで確かに、と思っていたら昨日こんな記事があった。
高齢者犯罪の急増
65歳以上の人口は10年間で1.3倍に増えたが、この間に事件を起こして摘発された高齢者の数は3.6倍にまで増えている。老老介護、孤独死、所得・資産格差の拡大。犯罪の急増は安心して暮らせない社会に対する、高齢者からの警告に思える。
(日本経済新聞「波音」 1/16)
揚げ足をとるようだがこの書き方はどうかと思った。「警告」という一見ありがたそうな言葉で「高齢者の犯罪には止むを得ない理由がある」と容認しているようにも読めてしまう(もちろんそんなつもりはないと思うが)。もし
犯罪の急増は安心して暮らせない社会に対する、少年少女からの警告に思える。
テロの急増は格差の拡大する世界に対する、最貧層からの警告に思える。
と書いてあったらずいぶん言い訳くさい印象を受けるはずだ。こういう記事を日経のような新聞がさらっと書ける背景には、若者と違って高齢者は何をしでかしてもしょうがない、という世間一般の潜在意識があるのかもしれない。その風潮が嫌い。
ちなみに記者は若者の方についても次のようにちゃんと触れている。
一方、子供たちを取り巻く環境も依然、厳しい。児童を狙う犯罪や虐待、性の商品化などに有効な手を打てないまま、時折起きる凶悪な少年犯罪には厳罰化で臨む――の繰り返しで、ここまで来た。