読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
"血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。"

これ、なんだろうと思う脳現象

neuro thought

標本数は1。自分以外の人がどうか確かめたことがなく、もし記憶や認知とはそういうものだと言われたら知らなかった、と答えるしかない。
専門的にどういう言葉で説明すべきなのかも分からないのでうまく伝わらないかもしれない。

聴覚的な記憶に残っていない単語を復元する

例えば誰かと話しているときに隣の隣くらいの席で「...これをクラウドに上げて…」のような会話をしていたとする。
脳内では何かの単語がセンサーに引っかかったことがわかっているが、ほかの会話に集中しておりので隣の会話の内容は字句レベルでも全く思い出せない。
ただ脳内で何か変化が起こったことだけは把握しており、
「このあたりのニューロン(?)が反応したということは…「クラウド」の話だったようだ」
と、もやもやとした脳の状態から頑張ればキーワードの再構成をすることができる。
クラウド」という単語は前後の単語も含めて全く記憶にないにもかかわらず。
しかし頑張らなければ、もやもやとした脳の状態は平常に戻っていき、単語レベルでの会話の内容が意識下に出る機会は失われる。

バックグラウンドに送った音楽が脈絡なく浮上する

iPodのプレイリストをずっと流して聞いていて中断して別の作業を始めたとする。
1時間かそこらして作業への集中力が切れてくると、ふとある曲が頭の中に流れ始める。よく考えてみると作業を始める前に最後に聞いていたまさにその曲だったり、その次の曲だったりする。
作業中も脳内で音楽が流れていたという自覚はないのに、あたかも脳内バックグラウンドプロセスが予定通りに(ただし、正確に1時間再生していたというわけではないが)プレイリストを再生しており、作業の完了とともに意識下に浮上してくるという感じ。
「行っていた作業のプロセスの立場からみれば全く唐突に曲が流れ出す」という点ではマインドポップに似ているかも。1時間ほど前に聞いていた曲だという点では、脳全体の立場では、全く脈絡がないわけではないともいえる。
「寝る前に最後に聞いたまさにその曲が、目覚めた瞬間に流れ出す」という、もう少し一般的かもしれない体験も昔は日常的にあった(今はあまりない)。
「新鮮で耳に残る曲だからふと思い出しただけではないか」というのなら不思議ではないのだが、この場合の浮上のしかたは、そういう感じではなく、寧ろ毎日同じプレイリストを聞いて耳がだいぶ慣れている曲であることが多い。
なお、記憶力が人よりいいというわけではないと思う。記憶の種類によっては人より悪いし昔に比べてもだいぶ悪くなった。集中力がないのか20秒程度で忘れてしまうことがある。一日100回くらい何か考えては忘れているような感覚があり、Evernoteのようなツールがないと結構ストレスフルだったが、最近はツールさえあれば忘れることに対して諦めがついてきた。

その他

以上のようなケースは個人的には興味があり研究が進んでほしいが、記憶の研究全般もやはり面白いと思う。
日経サイエンス今号の記憶特集で、Highly Superior Autobiographical Memoryという超記憶の例などが紹介されている。「ある時点から今日までの毎日、ニュースや自分の周りで何が起こったかを全て正確に記憶する」また「あるニュースやできごとに対し、それらが起こった日付を正確に記憶する」ということに特化した記憶能力だ。超便利そうだけど、逆に負荷になっている人もいるのだという。確かに、絶対音感みたいに持つ人だけが味わう苦しみもあるのかも。